グルーヴ17

グルーヴ17

グルーヴ17

「グルーヴ17」戸梶圭太(2005)☆☆☆★★
※[913]、国内、現代、小説、青春、テクノ

戸梶の書いた青春小説。
まさに表紙のイラストが物語る青春小説。つまり、いつもの戸梶らしさを期待すると裏切られる。
ぼくは、裏切られた。ちぇっ。
戸梶作品と考えるなら、ぬるい。青春小説とするなら、下品。でも、読後感はそれほど悪くない。

井出悠伍は私立東京峯尾学園芸能科に在籍するがどこにでもいるような普通の高校生。ちょっと違うのはテクノ好き。家では、自分のシーケンサーを持ち、深夜まで熱中して作品を作る。頭の中はテクノと女のことだけ。ヤリたい。そして新しい機器が欲しい。
米澤隆弘と大津友樹は、悠伍と同じ峯尾学園の普通科に在籍する高校生。二人の頭の中も女といかにしてヤり、童貞とおさらばするか。つまり、高校生の男って奴の頭の中にはそれしかない。
隆弘と友樹は、渋谷の街でうさんくさい男広野と知り合う。六本木のクラブでパーティーをするから女の子を集めてくれ。甘い夢を抱きながら、ぐずぐず、だらだらと行動する隆弘と友樹。そして、ひょんなことで悠伍もパーティーで自分の作品を発表することとなった。パーティーの夜、悠伍が同級生の女の子の危機を救ったことで起こる騒動・・・。

帯にあるのでネタバレとはいえない?
17歳。同じ日に童貞を捨てる奴、命を捨てた奴-。
たぶん、いまどきの高校生は、この程度で死を選んだりするんだろうな。そう、少し考えれば逃げ道は幾らでもあったのに、ひとり思い悩み。その一方で、あっけなく童貞を捨てたりする奴もいる。いまどきの若者のいまどきの物語。可もなく、不可もなく。いやホントは少しあるんだけど、欠点は。
気軽に暇つぶしのできる本。オススメとまではいえない