「マザー・テレサ」

snowkids992005-09-09


[映画]「マザー・テレサ」(2003)☆☆☆☆☆
主演:オリビア・ハッセー

今回は、書評ではない・・。伝えたい感動ということ。

僕本人は洗礼をうけていないので、クリスチャン(=カトリック信者)ではないが、本作品を観て、久々に涙がとまらなかった。そして、まじめに生きなきゃなぁと思わされた。

母親がカトリックで、子どもの頃より教会は身近な存在だった。そうした中で「敢て洗礼を受けること」を選ばなかったのは考えがあって、というより面倒くさいことだっただけかもしれない。あるいは自分が「私を捨てること」をできなかったからもしれない。
本作品は、母が、ぜひ観るようにと鑑賞券を送ってくれたので、たまたま観る機会に恵まれたわけだが、とてもいい作品だった。
単体の映画作品として評価するとどうか分からないが、個人的にとても心に訴えるものがあった。何気ないひとつひとつのシーンが心に訴えかけ、なぜか冒頭からハンカチを手放すことができなかった。本当になにごともない場面なのに・・。

傍若無人ともいえるほど、神のペンとして、貧者、弱者を救うことにそのすべてをつくしたマザー・テレサの生涯を描いた作品。
もっと効率的に、もっと役所の決まりを守ればとよいのに思うような場面もあった。しかし彼女は頑として自分のやり方を変えない。それは、頑固というより、実際はそうした変化についていけない、小さな人だったのかもしれない。自分のできることを、自分の仕方でし通した女性、マザー・テレサ
そのことは、もはや、よしあしではない。僕らは、この作品を通して彼女の生き方を知るだけだ。そして、それを自分の生き方にどう、取り入れていくか、。

私たちのすることは大海の一滴です。でも、その一滴がなければ海も涸れてしまいます。

ほんのささいなことから、始めるしかないし、それが積み重ねっていくことが何かを生み出していく。
マザー・テレサのように、無私に、無垢にはなれないが、自分のため、自分のこと、ばかりでなく、誰かのためにを、考えられるような自分になりたいと思った。

キリストを信じ、困った人々を救うことに生涯をかけたマザー・テレサの姿を淡々と描いた作品。一部に映画用の演出はあるものの、感動作を作ろうとする力(りき)みや、思惑がなく、単体の映画作品として評価すると、少し厳しいかもしれない。
故にひとつの映画作品としてでなく、マザー・テレサの生き方を知ってもらうということで、ぜひ観て欲しいと思う作品。

補足:マザー・テレサは、敬虔なるクリスチャンで、自身信じる神はイエス・キリストだけであったが、他の宗教を決して否定することなく、救済した弱者に改宗を迫ることもなかった。ただ、自分の信じる神の言葉に従い、行動として弱者の救済に生きた。この作品を宗教的な作品として敬遠することだけは、辞めてほしい。それは間違っている。

蛇足:すべての宗教は、きっと、どこかでひとつに繋がっていると思いたい。目指すところが同じ人々の幸せなら。それが故に、宗教を通じた戦争はとても哀しい。洋の古今を問わず。

公式サイト http://www.motherteresa.jp/